019 自力?他力?相続手続きの進め方

お知らせ, 遺産相続

相続の手続きって難しいですか?

できそうなところ、頑張ればできそうなところ、
専門家に依頼することが多いところ・・・
これらに分けてみます。

できそうなところ一つ目は、被相続人の出生~死亡までの戸除籍等の取寄せ

あなたが相続手続きを自分でしようとすると、
様々な手続き等に必要な提出書類として、
【亡くなった方(被相続人)の、出生~死亡までの戸除籍】
と書かれていることに気付くでしょう。

殆どの市区町村役場はホームページでも
戸除籍等の取得に必要な情報を案内しておりますので、
市区町村役場に行く前に、電話等で必要な事など聞いてから、
窓口で戸籍担当の職員さんに教えてもらえば何とかなると思います。

できそうなところ二つ目は、不動産登記書類の取り揃え

建物や土地が相続財産に入っている場合は、
法務局で不動産登記事項証明書を取寄せることになります。
こちらも、法務局の職員さんに教えてもらいながら出来ると思います。
法務局も、役場同様、事前にインターネットや電話などで
必要事項を確認してから赴くのが良いでしょう。

「がんばればできそうなところ1つ目」は、必要な戸除籍等の範囲を知ること

大半の方はそうですが、戸除籍等の取寄せをしていくと、
被相続人の戸除籍等、相続人の戸除籍等について、
他の市区町村でしかとれないもの、
県外の市区町村でしかとれないもの
が出てきます。

この場合も、手続きに必要な人の戸籍の範囲はどこまでなのかなどを、
郵送での取寄せ方、交付請求書の記載の仕方など
各役場等の戸籍担当の方に教えてもらいながらやれば・・・・
ちょっと大変だと思いますが、自力でやる方もいらっしゃいます(笑)

「がんばればできそうなところ2つ目」は、法定相続情報一覧図の取寄せ

簡単に言うと、戸籍の束→家系図のような紙1枚にして
不動産とか銀行の手続きしてOKですというものです。
相続手続きに必要な戸除籍等を取得すると、
その戸除籍等の合計枚数は相当なものになっていることが大半です。

以前は、その戸除籍等の束を法務局や銀行に持って行って、
職員さんが一つ一つの戸除籍等を見ながら相続手続きをしていました。
今も束のまま持って行っても受け付けてくれますが、
数年前から束→紙一枚で代用できる制度が始まっています。
それを法定相続情報証明制度と言います。

つまり、この家系図の様な書類の取寄せも、
法務局の職員さんに聞きながら頑張ればできるということでした。

家系図のような書類は10枚でも20枚でも無料で交付してくれるので、
銀行や不動産、その他手続きを同時に進めることができます。
戸除籍等の紛失や郵送の手間暇もなくなります。

専門家に頼む人が多いところ

1つ目は遺産分割協議書の作成

戸除籍等で「人」が確定し、
銀行関連や不動産登記書類等で「物」が確定すると、
それらを遺産分割協議書に反映していきます。

場合によって、不動産用、金融機関用など、
何枚かの遺産分割協議書を作成する場合もあります。

他にも、相続人同士の分配方法、
相続人同士の取り決めを反映したり、
県内外に相続人がいる場合は、
一人一人が同じ協議書に署名押印しなくてもいいような書式にして、
郵送の準備をしたりなど(ここに氏名、日付、実印押して、印鑑登録証明書同封で、いつまでに返送してほしい・・・など)、
意外に手間暇のかかる書類でもあります。

遺産分割協議書の役目は「遺産」について、
権利者の全員でこのように「分割」することを「協議」しましたよ。
全員が合意したので、署名押印して「書」類にしました・・・
とこんな感じです。

2つ目は司法書士に依頼する不動産の移転登記関連

登記の書類には、登記申請書、遺産分割協議書、
法定相続情報一覧図、相続不動産関係の書類のほか、
現在の登記情報を鑑み、
相続登記と同時にやらなければならない申請についての必要書類等も生じる場合があります。

かなり複雑な内容になることも多く、
記入が必要な提出書類も相当な数になるため、
これらのすべてを代行してくれる
司法書士という専門家に頼むことが多くなると言えるでしょう。

3つ目は税理士に依頼する相続税務関連

相続財産と相続人の人数により、
または、相続が発生したのが10年以上前だった‥
など法改正前の相続手続きを法改正後に行うことになった場合などで、
相続に関する税務も大きく変わってくることがあります。

相続後に主に税理士が登場する場面としては、
相続税の申告(相続発生から10か月以内)、
配偶者控除での相続税申告、小規模宅地の特例、
相続時精算課税制度、準確定申告等があります。

税務署で教えてもらいながらやるという方法もありますが、
その記入の複雑さや量、必要書類の取寄せなど多くの対応が必要となるため、
ほとんどの方は税理士という専門家に頼むことが多くなると言えるでしょう。

4つ目は、遺産分割協議がまとまらない場合の弁護士

相続人間で、揉めている、このままいくと揉め事になる、
分配方法に合意していない、会いたくない相続人がいるので代わりに交渉してほしい、
会ったことがない相続人がいるので代わりに交渉してほしい・・・など、
遺産分割協議が整うには、仲裁や揉め事の解決、
最後は裁判になるかもしれない等・・・

こういった場合は、弁護士という専門家に依頼することになります。
というか、揉め事解決の代理を出来るのは、原則として弁護士だけです。
※弁護士以外の士業・・・行政書士、司法書士、税理士等が揉め事の解決を代理すると法律違反になります。

あとがき

相続手続きって難しいのか?
そういったご質問に、
「できそうなところ」
「頑張ればできそうなところ」
「専門家に依頼することが多いところ」
と言う風に、分けてご説明してみました。

相続は、ここでお話しした以外にも様々なことが起きます。
一度終わったと思っても、何か月かしてまた違う対応が始まったりすることもあります。
ここで述べたことが、今後の何かしらの「物差し」になれば幸いです。

にゃんこ監督の仙台・帯安行政書士事務所
1970.01.01
にゃんこ監督の仙台・帯安行政書士事務所
https://sendai-taian.jp/an-example-of-consultation-on-inheritance-procedures-its-really-just-a-consultation-all-procedures-are-consulted/
前の投稿
018 親子になるなら、遺言書は作りませんよ?
次の投稿
021 遺産相続手続きの相談事例。最初は自分で書いた遺言。最後はみんなで契約した信託。

関連記事

メニュー