行政書士試験 難しすぎる 挫けそうな20代半ば 行政書士になりたい②

行政書士試験

行政書士試験 難しすぎる ・・・

(前回までのあらすじ)
タカシさん(仮名)は家庭の事情で高校を中退。
友人らは、大学を卒業して大きな会社に就職していました。
徐々に自分の学歴をコンプレックスに感じはじめ、
法律の国家資格 行政書士試験を目指す決意をしました・・・
いや、したはずでした・・・

法律の勉強をしていることに自己満足していた

タカシさんは25歳になっていました。
本屋さんのレイアウトが変わり、国家資格の行政書士のことを知った日からまもなく2年です。

今はなにをしているのでしょうか・・・

(タカシさんの心の声)
おれは行政書士を知っているからすごいんだ。
行政書士の教材を読んでるから頭が良くなったんだ。
行政書士の勉強してるってみんなが知ったらどう思うだろう!
反面 行政書士試験 難しすぎる  ・・・とも。

――この2年で1回くらいは行政書士試験受けてみたんでしょうか・・・

残念なことに、あれから一度も受験しておらず・・・
それどころか行政書士の試験問題も手を付けたことがなかったのです。
先ほどの心の声そのまま、勉強しているだけで優越感に浸っていたのです。

本屋さんで買った2年前の教科書を毎日かばんに入れて、
昼休みや休日等に「教科書を読んで」勉強している自分に、
どこか満足していたようなのです・・・

これでは、いつまで経っても行政書士になることは出来ませんが、
仕事をしながら勉強もしている・・・
ただそれだけで心が満たされていたようなのです。

―――しかし、本気で行政書士を目指さざるを得なくなるキッカケは突然訪れました。
自動車での通勤中、道路脇の信号機の柱に・・・

事故に遭う。力仕事が出来なくなる。

タカシさんは生まれてはじめて交通事故で救急車に乗り、病院へ運ばれました。
幸いにも命に別状はなく、1週間弱で退院に至ります。

しかし、全身打撲で、いつものように身体を使う動きはできません。
会社の社長さんは、ゆっくりでいいからちゃんと治して戻ってこいと言ってくれます。
それから半年以上会社を休み、自動車保険や傷害保険からの給付金でなんとか生活をしていました。

そして、退院から数ヶ月後やっと職場復帰。
同僚から「もう大丈夫なのか?」「元気そうだな!」と、嬉しい言葉をかけてもらえます。
仕事のはなし、何気ない会話、通勤と退勤・・・日常が戻ってきたのです。
・・・ただ戻ってこないものがあることを、このときタカシさんは知りませんでした。

“ 荷物が重く身体はもっと重い ”
復帰直後は職場の気遣いで軽めの作業に終始していたのですが、
徐々に以前の作業に戻していこうとしたとき、タカシさんは違和感を覚え始めます。
「え。。あれ??・・・お、重いものが持てない。
持とうとすると背中も腰も悲鳴をあげる・・・」

―― その後1年弱は整骨院などに通いながら、
ダマシ騙し仕事を続けましたが、症状は悪くなる一方でした。
そして限界を感じたタカシさんは、次のあてもなく退職することを決めました・・
高校を途中で辞めてから社会で力仕事の職場でしか働いたことがない30歳目前の男性が、
これからは力を使う、身体を駆使する仕事に就けなくなってしまったのです。

もう、行政書士の勉強どころではなくなっていました。

改めて痛感した学歴・時間の大切さ。

――― 力を使わないで済む仕事を探すことになりました。
ハローワークや求人誌等、すべてをくまなく見ていきます。
しかし、また「あれ」がヒシヒシと気配を表し始めます。
そう、高卒以上・・・・大卒以上・・・の応募要件ばかり。。
学歴不問だと、その大半が力仕事なのです。

力仕事ではない高額歩合の営業職などもありましたが、
どれここれも、友人等から聞いた離職率90%以上の企業ばかり・・・

それでも働かなくてはと、タカシさんは離職率90%超の企業に入社するも・・・
殆ど軍隊の朝礼と、とんでもない上下関係、土日も休めないうえに
早朝出勤・深夜残業・・・毎日が100軒を超える飛び込み営業の日々・・・
力は使わなくても、メンタルがやられていき、心も病んでいきます・・・
学歴不問で40万とか書いてあったのでなにかあるのは当たり前なはずでしたが、
90%の離職率を反映して・・・あえなくこの職場を退職。

壮絶な職場を退職してホッとしたものの、打ちのめされた感が色濃く・・・

” この世にはオレが出来る仕事なんてないのではないだろうか・・・
このままずっと、どこもオレを雇ってくれないかもしれない・・・”
今までのこともグルグル頭をめぐります・・・

なんで学校辞めたんだろう・・・3年行けばよかっただけなのに。
なんで元気なうちに仕事と学校両立しようって思わなかったんだろう・・・
なんで一度も受験しなかったんだろう・・・行政書士・・・

―― まもなく28歳。

捨てる神・拾う神

メンタル的には落ちるところまで落ちきったタカシさんですが、
運命的な求人情報に出会いました。
じつは、物流関係の仕事が長かったのですが、
その求人、そういった物流関係の企業に人材を派遣している会社のものでした。

業務は100%事務所の中でのものとなり、応募要件はできれば高卒だったものの、
今までの経験が大きく評価され、無事採用に至ったのです。

内勤事務で働き始めてすぐに、これまでの自分の経験や考え方が、
本当に今の職場に役立っていることを実感しました。
派遣スタッフさんの気持や作業の難易度、物流会社さんの考え方や、物流業界特有の専門用語など、
そして、内勤事務しかしたことのない人には分からない「現場の声」「現場目線」が、
時間を要すことなく、スタッフさんやお客さんである物流企業の心を掴んだのです。

そしてタカシさんは教訓を踏まえ、この会社で働きながら行政書士を本気で目指すと決意。
それと同時に行政書士試験を本気で受けると決意するまでに、
5年もの歳月と、多くの出来事があったと感じていました。

しかし「やっと受験生になった」だけで仕事と勉強の両立の本当の戦いはここから。

行政書士試験難しすぎるのは、難易度だけでなく、
本気で挑戦するという気持ちが心底目覚めるところからだったのです・・・

 

行政書士になりたい③へつづく

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