セールスライティングとは 、店に来てもらった顧客に商品購入を促す文章のことです。
ちょっと紛らわしいですが コピーライティングとは 店まで来てもらう文章を書くことを言います。
そして、検索エンジンのアルゴリズムを軸とした「検索ユーザーの求める情報」を
キーワードを基準にして、わかりやすく実装する技術をWEBコピーライティングといいます。
このうち、今回は ”セールスライティング” について触れてみたいと思います。
Contents
セールスライティングは 来店した顧客に購入を促すのが目的
セールスライティングは何もWEBや文章の中だけのお話しではありません。
あなたがどこかに買物にでもいけば、セールスライティングとほぼ同じものに出会うからです。
例えば、千葉さんが古くなった冷蔵庫を買い換えようと家電量販店に訪れたとしましょう。
広い駐車場に車を止め、入口をくぐり店内を見渡します・・・
そして、千葉さんは冷蔵庫のコーナーに向かい、値段や色・大きさ等を見ていきます。
幾つかの冷蔵庫を見比べていると、予算内で収まり、サイズも丁度良く、色も何種類か選べるものが目に付きました。
つぎに千葉さんが気になってきたのは、様々な機能の説明書きです。
しかし、商品名と値段が書かれた張り紙には、
数字や横文字に加え、見慣れない用語がビッシリ書き込まれています。
千葉さんの目線は、商品である冷蔵庫の姿でなく、
その張り紙に書かれた機能の部分に目が移っていくでしょう。
つまり、千葉さんは商品や値段はクリアしている・・・
だから次のステップである、この値段と機能は見合っているのか?
に関心が移ったわけです。
この様子を遠目で見ていた店員Aさんが、絶妙な角度から千葉さんに歩を寄せて、
冷蔵庫と千葉さんの悩み具合を伺いながら・・・まるで心と頭の中が見えているかのように、
千葉さんのライフスタイルや冷蔵庫の使い方などを程よく質問して自然な笑顔で同調しながら、
それでいて、目当ての冷蔵庫についての説明を織り交ぜ無駄なく商品のメリットを語っていきます。
途中、ちょっとだけ気になった他の商品のことも引き合いに出しながら、
「お客様のライフスタイルや家族構成をお聞きしていると、
お子様の食すもの、ご主人さまの好物、料理の作りおきなど、
この商品はお客様のライフスタイルにマッチする部分が多いようですね。」
千葉さんも「確かにそうよね・・・これが良さそうかしら・・・」
店員Aさんは間髪入れず「なるべくお安く出来るように上司に掛け合ってきます」とインカムでボソボソ話し始めました。
千葉さんはもう、買うということを前提に、
この値段からどれくらい安くしてくれるのか・・・
こちらに関心が移っていくことでしょう・・・
・・・さて、ここではセールスライティングならぬ「セールストーク」と表現すべきでしょうか。
文章ではないですが、この一連のやり取りは、ほぼセールスライティングと言っていいでしょう。
書くか・喋るかの違いだけです。
この場合、セールストークが成約の鍵になるでしょうし、
店員Aさんの言葉遣いや人柄、商品に対する知識はもちろんのこと、
千葉さんの生活にどんなプラスを及ぼすことができそうなのかを、
この店員Aさんは巧みに表現することが出来ていたから、千葉さんも購入に至ったのでしょう。
つまり、このセールストークで購入に至るプロセスを、
文章で作り上げることこそセールスライティングなのです。
そして、セールスライティングの主たる目的は来店者に購入を促すことにあります。
セールスライティングは顧客のことをよく知ることから始まる
先ほどの店員Aさんの最初の動き方はどうだったでしょうか・・・
顧客が商品や値段はクリアしている・・・
だから次のステップである、この値段と機能は見合っているのか?
に関心が移った・・・
↑
おそらく店員Aさんは、商品の値段ではなく次のステップの「商品の機能」へ関心が移ったことを、
なるべく悟られないように察知したことでしょう。
そして、絶妙な角度から顧客に歩を寄せて、
年齢層や表情、発する言葉から瞬時に現状を把握することに努めたはずです。
そして、顧客の話を遮らないように、そして、まるで心と頭の中が見えているかのように、
質問とその答えに対して自然な笑顔で同調しながら、
顧客にとって、もっとも適切な接し方は何かを判断し、
言動や行動に移していったのでしょう。
このことは、セールスライティングにおいても大事なことです。
実際に売る前に、顧客と同じ温度になるよう、ライティング側のあなたが合わせる必要があるのです。
まずは、気に入られること→相手をよく知ること→そして適切なライティングをすること・・・
リアルの世界でもWEB上の世界でも、
最終的には人が見て買うか買わないかを決めます。
SEOが重要なのは言うまでも有りませんが、
その前に、相手に気に入ってもらい、何でも話せるようになって警戒心を解いてもらうための・・・
そういう段階のライティングも「セールスライティング」のパーツなのです。
未来の体験を顧客にイメージしてもらう重要性
さて、冷蔵庫について説明する家電量販店の店員Aさん。
さきほどは、来店者の千葉さんに、
「お客様のライフスタイルや家族構成をお聞きしていると、
お子様の食すもの、ご主人さまの好物、料理の作りおきなど、
この商品はお客様のライフスタイルにマッチする部分が多いようですね。」
と、語りかけていました。
この部分、角度を変えれば、店員Aさんは、千葉さんに未来の体験をしてもらったわけです。
先ほどの会話をちょっと深堀りしてみましょう・・・
↓
千葉さんの現在の冷蔵庫の状況は・・・
お肉やお魚を冷凍しておきたい・・・
お子さんの好きなアイスキャンディーを入れたい・・・
でも今ある冷凍スペースだけではすぐに満杯になり慢性的にすし詰め。
冷蔵スペースも十分でなく、収納に四苦八苦することも毎日。
店員Aさん「千葉さんが気に入られたこの冷蔵庫は、冷凍収納が2段ありますから、
お肉やお魚等をこの段に入れて、アイスキャンディーなどはこちらの方へと分けてお使いになると、
収納も楽しくなるかもしれませんね・・・
ほらここなんですけど、スライド式になっていて、
特売日にまとめ買いしたお肉なんかを、こんな風にすれば・・・
千葉さん「ああ、そういう風になるのね! ほんとう・・しまうのが楽になりそうね・・・」
店員Aさん「ご主人さまはビールとか飲まれるんですね・・・おつまみの作りおきなどは・・・」
・・・千葉さんはもう、店員Aさんの語る未来の体験を耳で受け止めながら冷蔵庫を直視し、
この冷蔵庫が我が家に来た後のことが頭で巡りめぐっています。
この未来の体験・・・私の好きな書籍では「ベネフィット」と表現していますが、
これをセールスライティングで書くことができれば、
成約の確率も上がっていくことでしょう。
実体験に基づくものなどからライティングしていくと、
スラスラ書けるようになっていくはずです。
セールスライティングとは 未来の体験を書いてあげることとも言えるのです。
実際に買ってもらうまで後押し
店員Aさんは、冷蔵庫の購入を考えていた千葉さんのこの言葉を聞き逃しませんでした。
“「確かにそうよね・・・これが良さそうかしら・・・」”
そして、店員Aさんは間髪入れず「なるべくお安く出来るように上司に掛け合ってきます」とインカムでボソボソ話し始めました。
千葉さんはもう、買うということを前提に、
この値段からどれくらい安くしてくれるのか・・・
こちらに関心が移っていくことでしょう・・
このあと、店員Aさんは表示価格より10%オフで端数の数千円も値引き・・・
更に、今ある冷蔵庫を無料で引取してくれるという好条件を千葉さんに提示しました。
さらにさらに、本日お申し込みなら明日のお届けが出来ますが何時ころだとご都合よろしそうですか?
と、次々に購買意欲を高める話が続きます。
千葉さんはもう、明日の夕方にはこの冷蔵庫が我が家に届けられて、
あのすし詰め冷蔵庫から解放されるのね・・・
今日中に今の冷蔵庫の中整理して、新しい冷蔵庫に移せるようにしておかなきゃ・・・
・・・このように、千葉さんの頭の中は、これから購入する冷蔵庫の値段よりも、
明日の準備に関心が移っていきます・・・
ここは、セールスライティングの中で最も重要なパーツです。
実際に購入を決断するまで、気を抜ける・手を抜ける部分などないのです。
もし、未来の体験だけして「前向きに検討します」と言って退店されたら、
また戻ってきてくれる確率はググッと下がるでしょう。
値引きサービス・特典・すぐに使える・・・
こういった部分はセールスライティングの極みのパーツです。
P.S
顧客のことをよく知って温度をあわせることから始まり、
未来の体験を共有する。
そして、実際に購入手続を締結するまで後押しする重要性・・・
このことを常に意識しながらライティングすることを、
セールスライティングと言います。
ここには書きませんでしたが、下記の”人の心を動かすコピー 7つの要素”
こちらも非常に参考になると思います。
・主張の一貫性
・理由を述べる
・権威性を伝える
・デメリットを伝える
・読み手にフォーカス
・読み手との共通点
・弱み/人間味を見せる
WEBコピーライティングの19につづく