遺産分割協議とは、亡くなった方(被相続人)が遺言書を遺していない場合に、遺産を相続人全員で話し合って分け方を決める手続きです。
この協議を進める際は、①相続人の確定、②財産の調査・把握、③全員での話し合い、④「遺産分割協議書」の作成、という4つのステップで行うことになります。
相続人の確定(戸籍・除籍などの取得)
誰が相続人になるかを戸籍・除籍謄本(以下「戸除籍」という)などを取り寄せて正確に確定させます。相続人が1人でも欠けた状態での話し合いは無効になりますので、取得作業に入る前に十分な予備知識と情報収集が求められます。
一般的には、1)被相続人の出生から死亡までの戸除籍、2)相続人全員の現在の戸籍、これらが相続人確定に必要な戸除籍となります。
戸除籍の取得方法
2024年(令和6年)から、直系親族(祖父→父→子の縦の並び)であれば、最寄りの市区町村役場の戸籍交付窓口にて、出生から死亡まで戸除籍を一括で取得することが出来るようになりました。以前は本籍地変更ごとに県内外の市区町村へ往復郵送での対応だったため、随分と便利になりました。
※仙台市のHPのリンク
下記の図をご覧ください。
注意点として、結婚等で父母の戸籍から抜けた兄弟の戸除籍取得はできません。(例えばBが結婚するとBの妻と新しい戸籍に入ります。そのB夫妻の戸籍をAが取得することは出来ません)
一方、ABCはDEの直系親族です。例えばAが仙台市在住で仙台市内の区役所でDEの出生から死亡までの戸除籍を「広域交付制度」で請求すれば、そのすべてを取得することが出来るということになります。
(【注】令和8年5月現在は、広域交付制度の利用は窓口へ本人Aが行くことが必要で、代理人や郵送は認められていませんのでご注意下さい)
相続人の順位など
1)配偶者は常に相続人となります。子ども(実子、養子、半血【異母異父の兄弟姉妹】・認知された子)も常に相続人となります。子が死去していてその子に孫がいる場合、その孫は、死去した子の代わりに相続人となります。
(※代襲相続人と言い、子・孫のように直系卑属にあっては、ひ孫以降も世代に関係なくどこまでも代襲相続人となります)
2)子がおらず、配偶者が相続人となる場合「配偶者4分の3・被相続人の兄弟姉妹4分の1」の相続分で共同相続人となります(※配偶者がおらず子のみの場合は、子だけが相続人となり、被相続人の兄弟姉妹は相続人とはなりません)。
3)上記の1)2)の配偶者、子や孫がいない場合は、親(直系尊属)が相続人となります。
4)上記1)2)3)に該当しない(親・配偶者・子がいない)場合、被相続人の兄弟姉妹が相続人となり、兄弟姉妹が死去している場合、死去している兄弟姉妹の子(甥・姪)が代襲相続人となります。
(※兄弟姉妹の代襲相続人は「甥・姪」までとなります。直系卑属の孫・ひ孫とは異なり、甥姪も死去しているときは甥姪の子は代襲出来ません)
相続財産の調査・目録(一覧表など)作り
プラスの財産(預貯金、不動産、有価証券など)だけでなく、マイナスの財産(借金や住宅ローンなど)もすべて洗い出します。
主に、銀行の通帳残高、不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)、金融資産(投資信託・株式・社債など)の証券、生命保険証券などになるでしょう。
全員での話合い
ここまで進めてきた、相続人の確定作業、遺産の一覧表をもとに、相続人全員でどのように財産を分けるかを話し合います。
遠方や諸事情もありますから、全員が直接集まる必要はなく、電話や書類の郵送(持ち回り)でのやり取りも可能です。しかし、多数決ではなく、あくまで全員の同意が必要です。
遺産分割協議書の作成
このように、遺産分割協議書には、被相続人の有していた遺産の種類・総額も記載した上で、それらの分割割合・それぞれの取得分を明確に記載する必要があり、その分け方で協議が終了したことを証明するために、戸除籍等で確定した相続人全員の署名押印(実印による)のほか、実印の印鑑登録証明書を添付し、それでやっと「遺産分割協議書が完成」することになります。
そして、各相続人がそれぞれ原本を保管できるよう、同じ内容の協議書を人数分作成して全員が署名捺印するか、または完成した協議書を人数分コピーして保管しておくかするケースが一般的です。
もっと詳しく遺産分割協議を知りたい方は、下記のブログもご覧になってみて下さい。
























