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自筆証書遺言
(細部は割愛します)
▶自筆証書遺言① 法務局保管
書いた遺言を無くすのが心配なら法務局へ預ける
・費用:3,900円
・家庭裁判所での検認いらない
・法務局から相続人等に通知してくれる
・偽造や変造、破棄、紛失のリスクがない
※原則として、法務局から各相続人に連絡が行く
▶自筆証書遺言② 自宅等での保管
紛失等の心配がないなら自宅等で保管する
・費用:0円
・家庭裁判所での検認必要
検認に必要な書類は死亡した人の出生〜死亡までの戸除籍、
相続人となっている人の現在の戸籍など
↓
原則として、相続人全員で家庭裁判所に出頭し
検認手続を行う
※結果的に、相続人全員に連絡が行くことになる
公正証書遺言
財産を渡したい人にだけ知らせて欲しいと考える人向け
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遺言書の中で「遺言執行者」を定めておきます。
遺言書の中で財産を受取る人として指定されてる人にだけ、執行者から連絡が行きます。
財産受取人に指定されてない人には、たとえ相続人であっても、連絡は行きません。
※遺言執行者を選任しておかないとトラブルが増えます。
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公正証書で遺言を作成したら、公証人役場に原本・ご自身で控えを持つことになります(正本・副本)。
【遺言書作成後に、ちゃんと考えておかないといけないこと】
自筆証書遺言や公正証書遺言の存在を、エンディングノートなどに書いておく方法もありますが、
ノート自体の発見が遅れたり、発見してくれても、中身を詳しく読んでくれるかどうかは他力本願になるため、やや危険です。
自筆証書遺言や公正証書遺言を作成しても、その存在を知られないまま、
子どもたちが遺言と全く異なる遺産分割協議をしてしまう事例も、それほど珍しくはありません。
時間をかけて考えたり、お金をかけた立派な書類であっても、適切な時期に現れて、
文言通りの遺言執行が行われないと、お金と時間が水の泡となってしまうのです。
信頼できる相続人に保管場所(自宅の金庫の中にある・・・公証人役場にある等)を教えておきましょう。
【ご留意】
法定相続分、遺留分、生前贈与等、認知症や成年被後見人等、異父異母兄弟姉妹、数次相続、代襲相続、
養子・養女縁組、外国籍・海外移住者の相続人、相続放棄、相続人廃除等、内縁関係、遺言認知、
金融機関の遺言信託、遺言執行者の選任の是非などありますが、ここで説明すると長くなるので割愛します。
遺産分割協議
※遺言書がないときで、相続人が2名以上いるときに作成する書類です。
法定相続人全員で遺産分割について話し合った結果を、
書面にまとめたものが「遺産分割協議書」。
預貯金や不動産、株式、債務などの相続財産について、
誰がどれだけ相続するかを記載。
相続人全員が、直筆で署名し、
実印を(市区町村役場に届出ている印鑑登録証明書と同じ印影)押し、
それらを書面に残すことで、
遺産相続の内容について相続人全員が合意したことを証明できるのです。
戸籍や除籍、住民除票や住民票はどうして必要なのか?
遺産分割協議書に記載されている者が、
・法律上も間違いなく「相続人であることを公の書類で証明する」ため。
・相続人全員が遺産分割協議に参加しているかどうかの証明をする。
この2つが主な理由です。
▶本籍地等に関する書類
(戸籍・除籍)
・死亡した人の出生〜死亡までの戸籍・除籍
・相続人となる人の現在の戸籍
▶住所に関する書類
(住民票等・戸籍の附票)
・死亡した人の住民「除」票
・相続人となる人の住民票
・戸籍の附票(本籍地そのままで、住民票だけ移った履歴が記載されている書類)
▶法定相続情報証明(法務局で作成してくれる家系図)
戸籍関係が間違いないことを、「家系図」のような書式で法務局が証明してくれます。
平成29年から、戸籍等の束を1枚にまとめる「法定相続情報証明」という制度がはじまっています。
銀行や法務局へ、
この1枚を提出すれば戸除籍等の代わりになります。
財産に関すること
まずは、負債総額の確認をする(ローン、事業資金等の買掛金、その他)
次に、相続財産を確認する。
不動産について
・不動産の所有人は誰になっているか(登記簿権利部甲区の右欄の名義人が被相続人だけか、他にもいるか)
・不動産に抵当権などが抹消されない状態で存在していないか(登記簿権利部乙区参照)
・不動産の敷地や床面積があっているか(登記簿表題部の記載を確認、疑義がある場合測量図の有無確認)
・農地(田畑)がある場合の対応の確認
・不動産収入の有無(月極駐車場、アパート経営、ビル経営、農地の賃貸など、並びに賃料の受取人が誰か)
法務局から取得する書類
・不動産登記事項証明書(土地・家屋・田畑などの権利関係の確認)
・公図(地番や家屋番号、私道の確認など)
・地図・地積等の測量図(登記簿の㎡数と実際の㎡数を照合する書類)
金融資産・その他資産関係
・預貯金(金融機関、貸し金庫など)
・生命保険(入院、死亡、積立、共済関係、一時払い運用型、生前贈与型など)
・金融資産(株式、社債、投資信託など)
・自動車、宝石・貴金属類の査定など
生前贈与関係の有無
・相続時精算課税制度を利用しているか否かの確認
・暦年贈与等の確認
・過去数年以内に被相続人から贈与に関連しそうな資産を譲り受けた人がいないか
よくある問題ごと(遺産分割協議)
・意思表示や署名が難しい相続人がいないか(被後見人等、病気療養中、認知症、統合失調症など)
・収集した戸籍等・住民票等から相関図を把握する(誰が被相続人で、だれが相続人になるのか)
・相続人それぞれの法定相続分を算出する
・遺留分が存在する相続人は誰か確認する
・知らない、連絡がつかない、海外移住、外国籍等の相続人がいないか
・相続放棄している者がいないかの照会
・当事者に意思表示できない人がいる(統合失調症、認知症等、成年後見の審判が必要か否かよくわからない)
・面識のない人がいる(異母異父兄弟姉妹など)
・不動産を相続人の誰に移転するか決めかねている
・数次相続(例:1月に父がなくなり相続完了する前に、3月に母も亡くなったなど)になっている
・不動産の賃料収入がある
・相続税が発生しそうな資産になっている
・その他(実印や印鑑登録カードを紛失、連絡のつかない人がいる(最後の住所への連絡で応答がない)、遺産分割協議に非協力的な人がいる、外国に移住している人がいる、・相続人以外の利害関係人がいる(不動産共有者など)、当事者(権利者)以外の人が協議に干渉してくる・・・等々)