(関係人と財産など)
母、子3名の構成で、母からの遺言書等の作成相談
(予想される財産総額)
約6.000万円(2.500土地、2.300土地、500家屋、その他700)
↓↓↓
このまま遺言書がない状態で相続が開始すると、
子どもそれぞれ2.000(遺留分は半分の1.000)の取り分権利が発生し、
土地や家屋の一部売却が懸念される(相談者、一子、二子は売却してほしくない)
↓↓↓
子どもたちそれぞれのこれまでの経緯から(特に末子は、過去に経済的な援助をしたことも一度や二度ではなかったので)
2.500の土地は一子に、2.300と500家屋は二子に、その他を末子にと考えているが、
「遺留分(最低でも一人当たり1.000は取得させる必要がある)」のことで難しい。
↓↓↓
(応急的な措置)
- 自筆で遺言書を作成
1.土地2.500は一子に相続させる。
2.土地2.300と家屋500は二子に相続させる。
3.1と2以外の財産のすべて(700)は末子に相続させる。
4.末子は、一子と二子に遺留分の請求をしないでほしい(記載は自由ながら、法的な効果はありません。)。
以上の内容で遺言書を直筆で作成保管。
これにより、末子の遺留分300だけの問題となる。
↓↓↓
様々な要素から総合して
(1)新たに公正証書の遺言を作成する(破棄、検認などの懸念を解消するため)
(2)税理士及び司法書士と連携し、子どもの取得分などを勘案して、一部の子には、生前贈与(納税額が抑制されるように、相続時精算課税制度の適用または暦年贈与等の検討含む)と遺留分の放棄(将来の相続財産を生前に一部取得させるのと引換に遺留分を事前に放棄してもらうことを家庭裁判所へ行う)
(3)(※ⅰ)遺言代用信託と(※ⅱ)任意後見契約等の設定を検討する(将来の法定成年後見への備えなど含め)
これらの3つの手続きを相談者の希望を聞き取りながら、検討・進行している。
遺言代用信託:便宜上の説明書き
親と子が元気なうちに信託契約を開始させ、財産管理等(祭祀法要などの執り行い、不動産管理、ご家族等の療養看護費用の拠出等、不動産経営・事業経営など)を親と子で行うと共に、親が亡くなった後は子だけで信託による財産管理等を継続するもの。「遺言」に「代わる信託」ということでの呼称。
任意後見契約:便宜上の説明書き
本人が自分の意思で契約や意思を表明できるうちに、自分の意思で後見人を選んでお願いしておくこと
- 例:【自分が痴呆症等になる前に自分のことを面倒見てくれる長女に対して・・・】
「私が将来痴呆症になったときは、あなたが任意後見人になってね」と公正証書でお願いしておくなど。
これにより、急に痴呆症になったときに、家庭裁判所で選任された「初めてお会いする成年後見人」の方が就任されることが避けやすくなります(なお、法的な表現・細部の説明はここでは割愛していますのであらかじめご留意ください)。
「後見人」を「自身で選ぶ(任意で選ぶ)」という「契約」をしておくニュアンスで、任意後見契約(公正証書のみ有効)。
―以上―