遺産相続と家族信託 第2回 父が信託を頼む人、息子がお金を貰う人、父がお金を作る人・・・にもできる。

家族信託・民事信託

「家族がもめないように相続のプランをきちんと練っておきたい」
財産の承継についてよく考えるが「遺言を書くのは気が引ける(自他ともに重く聞こえてしまう)」
「家族信託」は簡単に言うと財産の運用・管理を信頼できる人に任せる仕組み。
任せる人を家族で決めて財産の承継に活用します。

信託には3つの役割を果たす人が必要

①まず財産を託す人「委託者」。

②次に財産を託される人や機関である「受託者」。

③信託された財産(信託財産)の運用・管理で利益を得る「受益者」。

そして、委託者・受託者・受益者すべて同じ人がなることもできる(条件あり)。

家族信託のメリットなど

家族信託のメリットは「委託者と受益者で契約の中身を自由に決められること」。
家族信託では親が委託者となり子が受益者となることが多いようです。
もちろん親子である必要はありません。

他の親族や信頼できる友人知人の方でもいいですし、
専門家や法人がなることもあります。

金融資産の使い方は委託者が指定できる

例えば生前は委託者である親が自分の生活費や医療費として使い、
死亡後は受益者に指定した子らに残すことができる。

難しい家の相続も、家族信託なら生前に解決できることになるかもしれませんね。
ただし、比較的自由に決められる仕組みと表裏一体なのが、
かなり詳細な契約内容としなければならないこと。

家族信託のデメリットなど

デメリットかどうか明確に棲み分けできないのが正直なところですが、
例えば、法的適合性、課税問題、遺留分の問題、契約の存続期間、
任意的に当事者で決められる内容であること。

ほかにも、法律の規定が優先され当事者で自由に決めてはいけない内容など、
様々な留意事項に注視しなければならないのも確かです。

これが、親が経営する事業を子に承継させる、
ご家族に認知症の方や障害を持つ方がいらっしゃる場合などはことさらです。

さいごに

メリットとデメリットについては、その状況に応じて、
詳しい方に相談したり、ご自身でお調べするなりして、
慎重に検討する姿勢が求められるでしょう。

次の編では、遺言信託と遺言代用信託というものについてご説明しています。

 

 

 

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