遺産相続と家族信託 第3回 ほとんど遺言書の遺言信託。孫まで声が届く遺言代用信託。

家族信託・民事信託

ここでは、遺言書と比較しやすいと思われる、
家族信託の中の「遺言信託と遺言代用信託」という2種類について、
簡単に触れてみたいと思います。
※家族信託にはもっと詳細な棲み分けがありますが、ここでは割愛します。

遺言信託

遺言信託は「遺言書でご自身が亡くなられた後、引継いでほしい内容を信託で指示するもの」です。
書き方の手順としては、遺言書の箇条書き(第1条、第2条・・・などのこと)の中の1つに、
「第〇条:この遺言書にない財産は~(中略)~別紙遺言信託書のとおりとする(省略)」
というものがよく見られます。

このように、遺言信託と言う呼称ながら内容はあくまで遺言書。
したがって、相続発生(ご本人が死亡する)までは効力が生じず、
相続の発生により遺言の効力が生じ信託開始するのが遺言信託です。

遺言よりも踏み込んで指定できる

単に財産を遺して「こういう風に皆で分けなさい」
という形式の一般的な遺言書に比べ、
遺言信託はもうちょっと踏み込んだ内容まで指定できます。

例えば、遺言者死亡後、財産を遺すことに加え、
継続してほしい財産管理等・・・
たとえば、祭祀法要などの執り行い、不動産管理、
ご家族等の療養看護費用の拠出等、不動産経営・事業経営など。

これらについて遺言者が意図する財産管理方法等を、
後世に託すといったニュアンスでしょうか。

つまり、遺言者ご存命中はご本人が財産管理等を行い、
ご本人の亡くなった後、後世に財産管理等を引継いでもらうことになります。

遺言代用信託(親と子で例えてみます)

遺言代用信託は、死因贈与という贈与契約と似ていますが、例えていうと、親と子で生きているうちに信託と言う契約をすること。親と子が元気なうちに信託契約を開始させてしまい、財産管理等(祭祀法要などの執り行い、不動産管理、ご家族等の療養看護費用の拠出等、不動産経営・事業経営など)を親と子で行うと共に、親が亡くなった後は子だけで信託による財産管理等を継続するものです。つまり、親と子が元気なうちに一緒に財産管理等を行いはじめ、親が亡くなった後は、子が親から教えてもらった方法で財産管理等を引継いでいくことになります。

(※実際の形式的な言い回しは違いますが、解り易い例えで申し上げると、こういう理解になります。)

遺言代用信託と遺言信託の違い

違いは様々ありますが、一番の違いは、遺言信託は遺言書ですが、
遺言代用信託は契約(信託契約)となる点です。

遺言信託はあくまで本人が亡くなった後効力を生ずる遺言ですが、
遺言代用信託はご本人がご存命中に締結してしまう契約である故、
ご存命中から効力が発生し(契約締結時点で)、
更に亡くなった後のことも考えた契約内容としておくことで、
契約効力が継続する点、ご希望実現の可能性を高める要素にもなるでしょう。

次の編では、一旦家族信託を離れて、遺言書の種類についてご説明いたします。

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